今なお感じる言語障害を患う妻との会話の難しさ

処方されている鎮痛剤のロキソニン リハビリ
処方されている鎮痛剤のロキソニン

今なお感じる言語障害を患う妻との会話の難しさ

このトピックについては,既に「会話と文章筆記」の節「会話の難しさ」で,妻が言葉の意味を取り違えてしゃべる(例えば,暑い <–> 寒い)ことがあり,発話された言葉どおりには受け取らず,状況や前後の文脈を考慮して確認する必要があるこを紹介した。

しかし彼女がしゃべる言葉が単なる意味の取り違えではなく,さらに複雑な状況や前後の文脈を考慮した判断を求められることもある。

妻が「膝が痛い」と言うので,鎮痛剤のロキソニン(アイキャッチの写真を参照)を塗ろうとすると,彼女は「違う」と言う。彼女はロキソニンが「痛い」ことに対処する薬であることはよく分かっているので,どうやら膝が「痛い」わけではなく,別の問題を起こしているらしい。彼女ぱその問題を表現できず,とりあえず「痛い」と言っている。

それで彼女の膝にどんな問題が起きていて,どう対処すべきかを判断する必要があるが,これがなかなか難しい。これまでの類似のケースから推定すると,右片麻痺を起している神経系の回復によって直前の状態とはかなり異なる感覚が膝付近に生じて激しい違和感を感じ,膝をどう動かしていいのか分からなくなっている可能性が高い。下図のように立ち上がって慎重に脚を動かして,神経系の回復に少しずつ慣らしていくしかなさそう。(2025-09-30)

立ち上がって慎重に脚を動かす

過去の事例

回復期のリハビリを受けるために急性期入院先から転院した病院では,3ヶ月目に妻は鬱状態になって,リハビリを継続し難くなった。その時,医師は言語障害を患う患者との会話の難しさを指摘し,会話による症状のフィードバックが無理なので,抗鬱剤の投与は危険と判断され,早期退院を勧告された。

退院時の打ち合わせで,看護師さんから「自宅での夫婦の身体的接触による抗鬱効果」を期待しての早期退院であることを告げられた。そして私は素肌を合わせて行うリンパマッサージ(「看護師さんによる健康チェック」の節「リンパマッサージ」を参照)等の指導を受けた。下図は退院時の様子。(2018-01-29)

リハビリを受ける病院からの退院時の様子

退院後の自宅での活動の結果,この鬱の問題は回避されたが,言語障害による会話の難しさは今なお感じることが多い。(2025-09-30)

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