これまで妻が利用してきた歩行器は,歩行中の上体の姿勢を良くするトレーニングを主目的として導入された。麻痺が残る右腕を置く台が付いた前腕支持型であり,ブレーキもショッピングバッグも付いていない,アルコーSK型というシンプルなタイプ。(「杖なし歩行への挑戦」のページを参照)
最近妻は右手で物を掴めるようになったので,作業療法士さんおよび理学療法士さんと相談して,ショッピングバッグの付いたより実用的な歩行器への機種変更の検討を行った。妻の回復状況を考慮すると,必ずしも前腕支持型でなくても,片手で操作できれば使用可能であり,歩行に疲れたときに座れる座面があることが必要。さらに,杖をついて屋外歩行する妻に付き添って,私が歩行器を持ち運ぶことを考慮すると,折り畳めてなるべく軽量であることか望ましい。
このようなユーザ要求を考慮し,業者さんとも相談して,フランスベッドのシンフォニーSPスリムへの機種変更を決めた。
8月11日の作業療法リハビリで,その新しい歩行器を使って歩く練習を始め,力は弱いが右手でハンドルを握って歩けることを確認した。歩行中に緊張が高まって右脚が小さく振動(病的反射)したり,右足先が車輪に触れたりしているので,この歩行器を使って屋外に出るにはもう少し慣れが必要との作業療法士さんの指摘があった。

新しい歩行器には自転車と同様にハンドルの下にブレーキレバーがあり,ハンドルと一緒にそこを握りしめるとブレーキがかかる。妻の右手は握りしめる強さの制御がまだうまくできないので,ブレーキレバーの操作は左手だけで行う。(2022-08-11)
当然のように,キャンツが新しい歩行器に乗ってくる。可動キャットタワーとでも思っているのかな。(2022-08-12)

妻は歩行器を押しながら歩いていて緊張が高まると,ハンドルを握る右手の第4指と第5指が外れて,残りの3本の指だけでハンドルを握るようになってしまう。それで8月18日の作業療法リハビリでは,立った姿勢で右手の第2指から第5指までを一緒に動かすトレーニングを実施。(2022-08-18)

その後の作業療法リハビリでの試行錯誤の結果,右手は右ハンドルを掴むより,前アームを掴む方が5本の指でしっかり握り易いことがわかった。右手首の角度の都合と思われる。それでしばらくはこのスタイルで歩行器を使うことにした。(2022-08-25)

右手で右ハンドルではなく前アームを握るようにすると,方向転換は主に左手の操作で行うことになる。9月15日の作業療法リハビリでは,歩行器で廊下を移動してベッドの前で左回りに方向転換し,そこで歩行器を止めて,左手を杖に持ち替えてベッドまで移動するトレーニングを実施した。作業療法士さんからは,身体と歩行器との間隔をもう少し広げるようにとの指示があった。(2022-09-15)


作業療法士さんに加えて,理学療法士さんも歩行器を使って,妻のリハビリを開始した。機種変更後のこの新しい歩行器については,各人各様の次のような思いがあるみたい。(2022-10-05)
- [作業療法士さん]: 右手で歩行器の右ハンドルや前アームを掴むことによって,麻痺が残る右の前腕と上腕の機能回復を促進させたい。
- [理学療法士さん]: 歩行器を使って,屋外の路上での移動に慣れさせたい。
- [妻]: バッグのついた歩行器子を使ってスーパーで買い物をしたい。
- [私]: 妻が屋外を杖をついて歩く時,急に脚が痛くなったり疲れたりした場合の非常用移動装置として,車椅子を私が抱えて妻の後ろを歩くようにしているが,現在使用中の車椅子(9.3kg,カルッタCRT-4)より軽くて,座面のある折り畳み可能な歩行器(4.9kg,シンフォニーSPスリム)があれば,運びやすい非常用移動装置として利用できそう。
- [ケアマネージャさん]: 以前の歩行器はその導入目的が歩行中の上体の姿勢を良くするトレーニングのためであり,介護保険の対象として懸念があったが,実用的な目的で導入した新しい歩行器については,その問題はない。

