数値計算
訪問リハビリの言語聴覚士さんが妻のために用意したテキストを見せてもらった。その一部を添付。言語リハビリの内容は,文を構成する初歩段階に入ってきたみたい。

このテキストを使ったリハビリの様子を聞いていると,テキストに示された質問と回答をそれぞれ言語聴覚士さんと妻が口頭で繰り返し,その後でテキストの内容から派生した会話が続く。そこで「合わせて何匹ですか」「8時の2時間前は何時ですか」等の数値計算を求める質問が行われていた。(2023-01-13)
妻は退院直後は訪問リハビリではなく,リハビリクリニックに通って(注1参照)理学療法と言語療法のリハビリを受けていた。常に私が付き添っていたので,私はいろいろな患者さん達のリハビリを見る機会があった。その時,四則演算の練習が言語のリハビリとして実施されていることを知り,早く妻もこのレベルになればいいなと思ったことを思い出した。(2023-01-13)
数のカウント
数のカウントについては,妻は廊下を歩く歩行自主トレを行いながら,廊下の往復回数を数える練習を行っていた。退院後3年目頃までは,彼女は”7″までは正確に数えられたが,なぜかそれを超えるカウントが不正確であった。その概要に加えて,「いっかい」「にかい」…と唱えながらカウントアップする回数の読み上げ方については,「屋内歩行自主トレーニング」のページに示した。(2022-05-15,2022-08-31)
数字の表記
妻は2018年10月頃からそれまで思い出せなかった幾つもの銀行口座の暗唱番号等を次々と思い出し,その都度メモ用紙に4桁の数字を書いて私に確認を求めた。その際の状況については,「さまざまな思い出し」のページに示した。(2018-10-28)
しかし言語リハビリのプログラムの中では,特に数字の表記をとりあげたトレーニングは,私が把握している限りでは,行われていない。2019年になって,文の一部に数字が入り,それに対する回答を求めるようなテキストが使われていた。(2019-03-20)

時刻の表記
妻は入院中に時刻をメモし伝えるために,時計の文字盤と針を利き手でない左手で描いている(「入院していた時期の文字筆記」のページを参照)。このとき描いた数字は,病室内の時計を見て書き写した文字盤の一部の画像であって,個々の数字の意味を考慮した記述とは思えない。(2017-12-02)

妻が数字で時刻を表記するようになったのは,退院して1年以上経った頃であり,私が近所のスーパーで買い物をして帰ると,メモ用紙に彼女が左手で書いた時刻”15時23分”の表記を見せられた。宅配の配達員がチャイムを鳴らしたけれど,彼女は対応できず,時刻だけをメモしたとのことだった。確かに郵便受けには,配達員が入れた不在連絡票(配達時刻は15時24分)が入っていた。(2019-11-08)

その翌月には,私がスーパーから戻ると「1:50 電話が来た」と書かれメモを見せられた。数字列による時刻表記に加えて,主語と述語のある短文が書けるようになった。(2019-12-25)

注1: 退院後3ヶ月間のリハビリには医療保険が適用されるが,それ以降のリハビリには介護保険が適用され,介護保険によるリハビリ実施主体は居住地域に限定されるようで,同じリハビリクリニックの施術を受けることはできなかった。しかし筋肉のつっぱり(痙縮)を緩和するためのボトックス注射には医療保険が適用されるので,退院後3ヶ月間通ったリハビリクリニックでその後も注射を受け続けている。