訪問リハビリの作業療法士さんは,麻痺が残る妻の右上肢について,右手首の関節だけでなく,肘の関節を動かす力も強くなっていることを確認した段階で,仰向けに寝た姿勢と座った姿勢とで,自力で(療法士さんの支えなしに)肘を曲げ伸ばしするトレーニングを実施した。


右手の指の筋肉が固くならないように,タオルを握っているが,トレーニング中にこのタオルを落とす(指を開く)ことがある。これは指が固くなっていない,むしろ望ましい状態とのこと。キャンツは脚立の上に座って,真剣にそのトレーニングを見続ける。(2021-07-29)


その後,それまでの応用として,日々の生活に必要な動作のトレーニングも行うようにするとの方針が作業療法士さんから示され,洗面台で右手を洗う動作のトレーニングが開始された。まず右手を洗面台に置くことからはじめ,左手のサポートなしに右手を蛇口の下に移動して,左手と共にハンドソープをつけて洗い,タオルで拭くことまでできるようにする。洗面台で手を洗うことは,既に生活の中で(自主トレとして)行ってきたが,右の掌を開き易くするためには,洗面台の前で一度座ることを,作業療法士さんから勧められた。(2021-08-12)

それまでにも前任者の作業療法士さんから,実際の生活に直接関係するような動作のトレーニングは受けたことがある。当時は今ほど右上肢の動きは出てていなかったので,実用レベルには達していないが,トライした内容(左手の動作,自主トレを含む)を次に整理しておく。
(2019-05-19) 右手が少し動き始めたことを受けて,作業療法士さんはこのタイミングを待っていたかのように,利き手交換等の代償動作トレーニングを止め,右手のトレーニングを開始した。まずスプーン操作に加えて,フェルトペンによる線と文字の筆記トレーニングを行い,発病以来初めて左手で支えられながら右手で自分の名前を書いた。

(2019-07-05) テーブルの上を,左手で支えられながら右手で押さえた布を動かして拭く。

(2019-11-15) 流し台の縁に左右の手を置いて立ち,キッチン作業への準備とする。

(2019-12-10) 左右の手でページを押さえて,本を閲覧する。

(2019-12-13) タオルの端を左右の手で掴み,タオルを絞る。

(2019-12-27) 両手で大きいボールを掴む。

(2020-01-10) 理学療法リハビリでリーチ動作のトレーニングが実施されたことを確認すると,作業療法士さんは,動的立位として洗濯物を干す作業を妻に指導。左手の動作ではあるが,作業感覚での身体の動きが重要とのことであった。

(2020-01-17) 流し台の前に立ち,左手のサポートを受けながら右手で小物を掴む。

(2020-05-23) 指のリハビリ用として作業療法士さんから提供された柔らかく小さいボール(カメレオンボール,ストレッチボールなどと呼ばれている)を右手で握りしめるトレーニングを実施。

(2020-07-10) 右手で縫いぐるみを掴み,杖をついて室内を運ぶ。キッチンの前では,キャンツがテーブルの上に飛び乗って応援。

(2020-07-17) 作業療法士さんが持つ縫いぐるみの首に,ゴムホースで作った輪を右手でかける(左手でサポート)。キャンツがそれをいつまでも見続ける。

(2020-07-31) 流し台の前に立ち,右手で食器用洗剤の容器を握る。

(2020-08-21) 右手指のストレッチの後,右手にミトンを装着する。

(2020-09-11) 流し台の前に立って,その上を右手でキッキンクロスを使って拭く。私がスーパーで買ってきた食材を,買い物バッグの中から綺麗に拭いた流し台の上に移動するという自主トレにも挑戦。これは対象物を掴んで移動するという基礎動作のトレーニングの活用であり,「夕飯の準備を手伝いたい」と言ってきた妻の要望に対する最初の充足であった。

(2020-09-25) 杖を離して流し台の縁に両手を置き,身体を左右に移動する(横歩き)。キッチンでの作業では,その動作の繰り返しが求められる。

(2020-10-16) 流し台の前に立って,スポンジたわしを使ってシンクや食器を洗う。これは麻痺のない左手での作業であり,食器は作業療法士さんから提供された吸着シート(「キッチン作業を見つめる」のページを参照)を使ってシンクに固定する。


