妻が,麻痺が回復する気配を感じてか,右手の指と手首とを左手で触り,さらにときどき頭に左手を置いて,「頭の中(脳)全体がこれまでに経験したことのない感じ,すごく気持いい感じ」だと言う。(2023-03-12)

この感じは,脚のどこかが動き易くなる前に妻が既に何度も感じたことのある,脳(の前の方)がグルグルして気持ち悪くなる感じ(「脳のグルグル感」のページを参照)とは,かなり違う感じらしい。そのような脳の感じをもっと詳細に知りたいのだが,妻の言語障害の回復状態はまだそれを可能にするレベルには至っていない。
そういう時これまでは,妻がYesかNoかで答えられる質問を私から問いかけて,内容の詳細に絞り込んでいくという手法を使ったが,脳の感じに関しては私自身が頭痛くらいしか経験したことがないので,適切な質問を出すことが難しく,妻の言語の回復を待つしかなさそう。(2023-03-12)
以前,妻が入院した病院の脳神経内科の医師に,脳出血後遺症の患者が回復していく過程で感じる脳の感じについて,尋ねたことがあったが,適切な回答は得られなかった。
2023年の4月13日に廊下を往復する朝の歩行自主トレの最中に,妻は右ふくらはぎを杖で指し示して「ここが違ってきている。ちょっと怖いけど,嬉しい」と言っていた。その報告を受けて,作業療法士さんは右ふくらはぎをマッサージ。


翌日の朝の歩行自主トレでは,妻は「頭の中がヘンな感じ,そう,不思議な感じ」と言う。その後も頭の中のヘンな感じは続いた。決して不快ということではなく,彼女の表現では「あっ,そうか,という感じ」とのこと。「それって発病前の感じに近い感じ?」と確認すると,そうだとの回答。頭の中(たぶん脳)の感じ(「感じ」という表現が適切かどうかは分からない)に以前と今との違いがあるって,私には理解できなかったが,いろいろ聞くと,例えば「以前より言葉が出易くなったかな」というような違いらしい。
その日の夜は,妻はベッドに入ってから,「顔の右側がヘンな感じ」と言ってきた。これも痛いわけではなく,発病前に近づいたような感じらしい。しかしこれは脳ではなくて,筋肉の感じであろう。
今回の「脳の不思議な感じ」は,先月に妻が感じたと言う「頭の中(脳)全体がこれまでに経験したことのない感じ,すごく気持いい感じ」とも少し異なるらしい。
このような脳内の感じは,脳出血後遺症の多くの患者がその回復過程において経験することなのであろうか? (2023-04-14)
4月25日の朝の歩行自主トレを終えた後,妻はまた左手を頭に置いて,「頭がちょっと治ってきてる」と言う。以前の「すごく気持いい感じ」,「不思議な感じ」より具体的な表現になっている。
妻の言語障害の現状では,彼女が発する言葉が自身の状態を必ずしも適切に表現しているとは思えない。しかし将来回復が進んで表現能力が高まった頃には,今の状態を正確に覚えているとも思えない。
それで現状の彼女の表現能力の範囲でなるべく多くことを説明してもらおうと考え,なぜ「治ってきてる」と思えるのかと尋ねてみた。彼女のメモ帳や周囲のものを指し示して,「あたりまえのことを,あっ,そうね,と思える」との説明。見た物とそれに関する過去の記憶とのセマンティクスがさらに一致しはじめたということなのかな。(2023-04-25)
以前にも聞こえた物に関して,同様の判断ができたことはあった。「筋肉の覚醒とそれに伴う視聴覚による意味理解」のページにその時(2022-06-29)のようすを示す。

