廊下で歩行器を使った歩行自主トレを毎日続けている妻は,歩きながら,廊下の環境(「歩行自主トレに使う廊下とその障害者対応」のページを参照)の中で次々と話題を見つけて,それに関連する記憶を辿ると共に,すぐ後ろを歩く私とおしゃべりを続ける。

歩行器を使った屋内歩行自主トレは,理学療法と作業療法のリハビリとして有効であることはこれまで確認しているが,次に示すような活動において言語療法のリハビリの効果も期待できる。
(1) 廊下10往復の約10分間は,常に私がすぐその後ろに付き添って歩くので,その間に私との会話を続けられる。
(2) 廊下の壁面に飾ってある写真を見ることで,妻はその当時の記憶を辿り,その内容をおしゃべりのトピックとする。「過去の状況の思い出しとそのサポート」の節「以前の住まいのベランダ」および「ローマ浴場跡のお湯」を参照。
(3) 廊下を通る時にその周辺にあるもの(部屋干しの洗濯物など)を見つけて,それに関連する内容をおしゃべりのトピックとする。
妻は廊下を歩きながら壁面にあるスイッチを示して「ここ」と言い,すぐには続く言葉を出せず,メモ帳を取り出して「1F」と書く。その日に私が1階のロビーで来客と打ち合わせる予定であったことを思い出して,その際にそこの照明のスイッチを入れることを確認したかった。(2024-05-16)

廊下の北端では,彼女は飼いネコのキャンツが幼少期によく遊んでいたオオサンショウウオの縫いぐるみが置いてあったことに気づき,懐かしそうにそれを取り出して,歩行器のバッグに入れる。歩きながら時々それを掴んでキャンツの幼少期の話をする。(2024-05-15)

(4) 廊下に置いてある熱帯魚水槽の中では,熱帯魚が繁殖を継続していて刻々とその内容が変化し,日々新たなトピックを提供する。
アイキャッチの写真では,卵胎生の熱帯魚が産まれたばかりの稚魚を食べる瞬間を妻が歩行自主トレ中に目撃し,思わず手を上げて「合掌」と呟く。(2024-05-14)

