1月12日の妻への訪問リハビリを終えて,言語聴覚士さんが帰られた後,妻が自宅の固定電話を指差して「ここ,ない」と言う。「えっ! 電話はここにあるじゃん」と答えると,今度は彼女は言語聴覚士さんが座っていた椅子を示して,「ここ」と言う。

妻はまだ私との会話でも名詞を話すことがなかなか難しく,身近にあるものについては,指差して「ここ」と言ってしまうことが多い。しかしその「ここ」は,指差す対象そのものである場合と,それに関係するもの,またはそれから連想されるものである場合とがあり,前後の文脈を考慮しながら,彼女の言う内容を把握する必要がある。
今回は前後の文脈がなく,彼女の言う内容を理解できなかったので,「ここじゃ,分からないよ」と言って,別の表現で示すことを求めた。そこで彼女はいつものメモ帳をとりだして,そのページを繰り,「言語聴覚士」と「固定電話」と書かれた箇所を示す。そこで私はようやく「言語聴覚士さんは固定電話を持っていない」ということか,と納得。
妻は言語リハビリのフリーディスカションの際に,言語聴覚士さんから聞いた話「今では固定電話を持たないのが普通」に興味を感じて私に伝えたかった。私はその内容よりも,妻が書き集めた単語帳であるメモ帳に,彼女の会話に必要な名詞がしっかり含まれていて,それに直ちにアクセスできることに興味を感じた。(2024-01-12)
1月12日の言語リハビリで使われたテキストの一部を示す。これを使って,助詞とそれが従がえる語の適切な組み合わせに関するトレーニングが行われた。組み合わせた結果を声を出して読むことが肝要らしい。助詞は名詞と共に,妻が現在の回復状況でもなお苦手とするもの。(2024-01-12)

名詞を含まないあまり長くない文については,妻はかなり話せるようになった。私が外から戻った時に「寒かったでしょう」と言ったり,テレビを見ている時に外を何台もの消防車両がサイレンを鳴らして走ると「うるさいなぁ,どうしたんだろう」と言ったりしている。(2024-01-16)
名詞を含まないその他の発話の例(妻の発音のママ):
(1) 熱帯魚の稚魚を見て「すごい,デカくなった」
(2) 掃除機で身の回りを掃除してから「これでいいかな」
(3) 壁に掛かった猫のポートレートを眺めた後で「また来るね」

太陽は出ているが,小雪が舞う,京都市内の典型的な冬の天気。妻は窓を少し開けて「雪,寒いけど綺麗だ」と言う(本人の発音のママ)。文中に名詞があっても,「雪」のような思い出し易い名詞だけだと,この程度までは話せるようになった。(2024-01-25)


