京都に転居してから数年経った頃(2011年),妻は当時の京都府五条警察署から頼まれて,警察署協議会(警察署の管轄区域での活動に関して,警察署長の諮問に応じて意見を述べる機関)の委員を務めたことがあった。東京三田の以前の住まいの近くにいた人達について記憶を辿り,思い出したことを言語リハビリでのプレゼン資料にまとめている(「以前の住まいの近くにいた人達」のページを参照)時,彼女は東京の三田警察署の協議会委員から両(三田警察署と五条警察署)協議会の情報交換の提案を受けたことを思い出した。しかしその提案をいつどういう場で受取ったのかを,どうしても思い出せないと言う。(2026-04-04)
それで彼女が京都に転居してから上京した記録を私が調べて彼女に見せたが,そのいずれでも三田警察署の協議会委員には会っていないと言う。そして2時間ほど考えてから,突然「分かった」と言って,彼女が2011年の暑中見舞いで三田の知人に五条警察署協議会の委員になったことを知らせたことがあり,その情報を知った三田警察署の協議会委員がハガキで上記提案をしてきたことを思い出した。(2026-04-04)
これまでの彼女の思い出し(記憶回復)は,何らかのきっかけ(視覚的刺激,聴覚的刺激,夢など。「過去の状況の思い出しとそのサポート」のページを参照)があって起きることが多かった。しかし今回は,思い出したいことに思考を2時間ほど集中した結果思い出すという新しい記憶回復パターンを示してくれた。彼女の記憶障害がかなり回復したと見るべきか。
五条警察署(その後,下京警察署)協議会委員として経験したことは,そのうち言語リハビリでのプレゼンのトピックとして扱いたいと妻は考えているみたい。(2026-04-05)
妻は本件に関連してまだ思い出し切れてないことがあるようで,思い出した関連する事象を時系列に並べて年表風のメモ(下図を参照)を作り始めた。言語リハビリでのプレゼンのトピックとして扱う準備のためと思われるが,このような年表風の整理手法は,彼女がかつて宗教社会学の調査研究(「さまざまな思い出し」の節「過去の調査活動」を参照)をしていた頃に修得した手法のようで,それを思い出せたことは喜ばしい。(2026-04-06)

その結果,彼女が最初に送った暑中見舞いの主要な内容は,2011年3月の東日本大震災の影響が懸念される東京三田の知人への地震見舞いと状況伺いとであったことを思い出した。
同じころに開催された五条警察署協議会の会議では,東北に応援に行った五条警察署の警察官によって現地報告が行われ,その内容が強く印象に残ったことも思い出した。これに関しては,妻は当時の会議資料(下図にその表紙を示す)をまだ持っていたので,記憶の確認ができた。(2026-04-06)

しかし何らかのきっかけに因らない今回のような思い出しの内容の多くは,確認をとることかが難しく,妻は断片的に思い出した関連事項をメモに書き出して(アイキャッチの写真を参照),その都度私を呼んで確認を求めてくる。この作業は記憶障害から早く回復したいと思っている妻には,非常に高い優先順位の作業のようで,例え食事中であってもトイレに入っていても,それを中断して記憶確認の作業に入ってしまう。記憶障害をもつ患者の介護をする者には,時間的余裕と精神的余裕が求められる。(2026-04-06)

