言語リハビリにおけるフリーディスカションと教材

仔猫時代のキャンツ お手伝い
仔猫時代のキャンツ

フリーディスカションと教材

妻の脳出血発症後ちょうど4年になるが,後遺症の言語障害に対するリハビリでは,言語聴覚士さん又は妻自身が予め用意したトピックに関するフリーディスカションに加えて,言語聴覚士さんが持ってきた教材を使ったトレーニングが実施されている。(2021-11-05)

妻は週刊誌の記事からフリーディスカションのトピックを探す(「言語リハビリでの週刊誌の利用」のページを参照)ことが多いが,我が家の飼いネコ”キャンツ”の仔猫時代の写真を用意して,それに関連するトピックを提供することもある。キャンツの話(特に仔猫時代の話)になると,妻は自身の言語障害を忘れていろいろ喋ろうとするので,リハビリとして効果的である。これも広い意味でのアニマルセラピー(Animal assisted Therapy)かもしれない。

仔猫時代のキャンツ
仔猫時代のキャンツ

言語聴覚士さんは。Webに掲載された最近のニュースの一部をコピーしてきて,それに関連するトピックで妻とのフリーディスカションを始めることが多い。

言語聴覚士さんが用意したニュースの一部
言語聴覚士さんが用意したニュースの一部

私が見せてもらった最近の教材は,文脈に適した形容する言葉と接続する言葉を記入するもの。教材によっては候補の言葉が枠内に示されているが,実際のリハビリでは,妻はそれを見ないで,麻痺のない利き手でない左手で記入していた。

形容する言葉
形容する言葉
接続する言葉
接続する言葉

ここに記入された妻の回答は,教材作成者や言語聴覚士さんが期待する回答とは必ずしも一致しないと思われるが,発病直後の(夫や自身の名前すら分からない)状態と比較すれば,回復傾向にあることは確認できる。(2021-11-05)


2023年の2月に行われた言語リハビリでのフリーディスカションのトピックは,言語聴覚士さんが我が家を訪れる道すがら,東本願寺の前で見かけたという巨大こけしの花子さんだった。「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2023」の展示で,昨年は清水寺に現れたとのこと。https://www.lmaga.jp/news/2023/02/609965/ および https://www.facebook.com/artistsfairkyoto/ を参照。(その後の3月6日に,私が東本願寺の前を通った時に撮影した花子さんの姿を添付。背景とのミスマッチが面白い。)

東本願寺の前に寝転ぶ巨大こけしの花子さん
東本願寺の前に寝転ぶ巨大こけしの花子さん

次いで,絵を見てその名前を仮名で書く練習を実施。妻は漢字はよく書けるのに,いまだに仮名は苦手。そういう患者が多いのか,名前の仮名表記の候補文字と先頭文字をヒントとして示すテキストが用意されている。呼称(絵を見てその名前を言う)/書称(絵を見てその名前を書く)訓練用テキストと言うらしい。(2023-02-24)

絵を見てその名前を仮名で書く練習
絵を見てその名前を仮名で書く練習

ディスカショントピックのマトリョーシカ

言語リハビリでのフリーディスカションのトピックを探すために週刊文春の最新刊を見ていた妻が,ある記事の挿絵に注目して「これ,ウチにあったね」と言ってきた。それは,いま評判の悪いプーチンのマトリョーシカだった。

プーチンのマトリョーシカの記事
プーチンのマトリョーシカの記事

それで以前モスクワで購入したロシアとソ連の元首のマトリョーシカを,私が探し出して3月18日のリハビリに備えた。入れ子を展開してみると,記憶喪失からの回復途上にある妻がすぐに思い出せたのは,プーチンとエリツィンだけ。ゴルバチョフ,ブレジネフ,フルシチョフ,スターリン,レーニンについては,その後も彼女は自身の記憶を辿っていた。リハビリに際しては,言語聴覚士さんは妻よりもかなり若いため,プーチンより前の元首に話しが及ぶことはなく,むしろこのようなマトリョーシカがあることの面白さについてフリーディスカションが行われた。(2022-03-18)

ロシアとソ連の元首のマトリョーシカ
ロシアとソ連の元首のマトリョーシカ

その後の大型連休中も言語聴覚士さんによる訪問リハビリはいつもどおり実施され,プーチンとウクライナに関するフリーディスカションが続けられた。報道されるウクライナの戦争の映像は,妻の脳を強く刺激して,ディスカションを促進したみい。キャンツは,理学療法や作業療法のリハビリに対するほど強い興味は示さないが,それでも遠くからじっと言語リハビリの様子を眺めている。(2022-04-29)

連休中の言語リハビリの様子を眺めるキャンツ
連休中の言語リハビリの様子を眺めるキャンツ

ディスカショントピックのアドベントカレンダ

11月4日の訪問リハビリでのフリーディスカションに際して,言語聴覚士さんはアドベントカレンダの話を始めた。その言葉を知らなかった(忘れていたわけではない)妻は,「何? それ」と質問して,「クリスマスまであと何日かを示すカレンダで,最近人気が出ている」との説明を受けた。

妻は「それならずっと前からウチにある」と言って,私にそれを持ってくることを要求。それで私は妻が意図するカレンダを押入れから出してきて,その日のリハビリで使ってもらった。

北フランスで購入したアドベントカレンダ
北フランスで購入したアドベントカレンダ

そのカレンダは十数年前に妻と一緒に北フランスを訪問した際に購入したもので,それがアドベントカレンダという名前であることは私も知らなかった。カウントダウンカレンダとでも言うのかと思っていた。しかしこのトピックは,言語リハビリとしての効果より,購入当時の彼女の記憶を呼び戻すのに有効だった。(2022-11-04)

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