言語リハビリの自主トレ(漢字の読み)

利き手でない左手でメモ用紙に書き写す お手伝い
利き手でない左手でメモ用紙に書き写す

読みが分らない漢字への対応

妻はパソコンの画面を見ていて,読みが分からない漢字があると,それを利き手でない左手でメモ用紙に書き写して私に見せ,私がその読みを口頭で伝えて,彼女がそれをルビとして追記するという作業を毎日繰り返している。メモ用紙の一部を示す。(2021-07-17)

読みが分からない漢字を記した妻のメモ
読みが分からない漢字を記した妻のメモ

漢字検索アプリ(「モジナビ」など)の導入も考えたが,私が口頭で伝える読みを彼女が聞き取って復唱し,それをルビとして仮名で表記するという作業は言語リハビリの自主トレとして意味があると思い,この作業を続けている。

対象となる文字コンテンツは,彼女が興味を感じたものに限られるが,ニュースのテキスト,外国ドラマの字幕などが多い。特にドラマについては,テレビでの放映よりも,必要に応じて画面を止められるという点でインターネット環境に置かれたコンテンツを頻繁に利用している。

このような言語リハビリの自主トレを実施する以前から,妻はパソコン画面の文章をレビューし続けていて,内容の理解はかなりできているようなので,文字の読みは分からなくても意味は分かっているようす。読みも,私が伝えると「あぁ,そうだった」という反応が多く,新たに学習するというより,思い出しているようである。

脳出血で損傷した妻の脳機能の現状を正確に把握して今後の回復の手伝いをしたいと思うのだが,妻が自身の状態を言葉で適切に表現できないため,彼女の行動から判断するしかなくて,何とももどかしい。

パソコンの重要性

妻の1日の生活の中でパソコン画面を見ている時間はかなり長く,パソコンへの依存が大きい。そのような状況の中で,7月12日の朝,彼女が見ていたノートPC(Surface Pro 2)の画面が突然まっ黒になって,全くパソコンとして動作しなくなった。これは妻にとってショックだったようで,その影響が血圧に顕著に反映している。朝の血圧測定の直前にパソコンが故障したので,その時の血圧はピークを示し,私が修理を完了してパソコン動作が復旧した時に測った夜の血圧は平常値に戻っていた。(2021-07-14)

血圧の変化
血圧の変化

使い慣れたパソコンが使えないという状態は,妻の言語リハビリの推進だけでなく,血圧をも急変させたように彼女の健康状態にも悪影響がありそうなので,直ちに私が修理することにした。

調べてみたら,故障の原因は充電器のコネクタ内部の断線であることがわかった。しかしコネクタとケーブルはモジュール化されていて,利用者が修理できるような構造になっていない。仕方ないのでモジュールを壊してコネクタ内部の断線箇所を半田付けし,接着剤でコネクタ構造を再現した。

コネクタ内部の断線
コネクタ内部の断線
修理を終えたコネクタ
修理を終えたコネクタ

もう使うことはないと思っていた半田コテとテスタを段ボールから取り出して,久しぶりに使った。私の視力が以前より悪くなっていて,コネクタ内部の細かい作業に手間取ってしまった。半田のフラックスのニオイを嗅ぎつけて,さっそくキャンツがやってきた。コテ先に触ると危険なので,なるべくキャンツは遠ざけておきたい私の思いに反して,キャンツは「お手伝い」したくてモー大変。

半田コテとテスタ
半田コテとテスタ
「お手伝い」したいキャンツ
「お手伝い」したいキャンツ

最近の電子機器は,主に製造過程を簡素化するために,利用者が修理することまでは考慮されていないことが多く,完全に元通りに戻すという修理は難しいが,利用者にとってとりあえず必要な動作はできる状態に戻すという修理はできることが多い。(2021-07-12)

読みの学習の進歩とメモ帳

妻はその後も「パソコン画面で見た漢字をメモ用紙に書き写して私に見せ,その読みを確認してルビを追記する」という言語療法リハビリの自主トレを続けていたが,次第に「私に見せる前に自身でルビを振っておいて,私にそれで正しいか否かの確認を求める」という形式に変わりつつある。

5月には,他動詞と自動詞で語幹の漢字の訓読みが異なるケースの「消(け)す」と「消(き)える」について聞いてきた(「言語聴覚士さんの交代」のページを参照)が,8月になって,カ行変格活用によって語幹の漢字の釧読みが変化するケース「来(こ)ない」「来(き)ます」「来(く)る」について確認を求めてきた。ようやくそのレベルに至ったかと思い,とりあえずカ行変格活用について説明しておいたが,妻はそんな文法的なことはどうでもよくて,一つの漢字に複数の訓読みがあることを確認したかっただけみたい。(2021-08-02)

「来」とその読みを記した妻のメモ
「来」とその読みを記した妻のメモ

妻のA6版のメモ帳。パソコンやテレビの画面で見た(仮名混じり)漢字表記の言葉が,彼女の利き手でない左手で書き込まれていて,必要に応じて私にその読みの確認を求めてくる。入院中から彼女はこのメモ帳を利用していて,毎日書き足すと共に以前に書いた内容をときどき見ているが,最近は書込みの量が著しく増えている。(2021-09-26)

妻のメモ帳
妻のメモ帳
パソコン画面の文字をメモする
パソコン画面の文字をメモする

その後も妻は毎日のように早朝からパソコンに向かい,気になる言葉を見つけては,麻痺のない(利き手でない)左手で,パソコン画面に表示された言葉を,それが漢字を含む場合にはその読みを含めて,メモ帳に記入するという言語療法リハビリの自主トレを続けている。読みに関して私に確認を求める頻度は減ってきているが,読みを表す平仮名表記がまだ確実ではないので,ときどき私がチェックするようにしている。例えば,2022年6月8日の朝にメモ帳に書き込まれた言葉は,「お粥(かゆ)」と「ご贔屓(ひいき)」であった。

その後も気になる言葉を見つけては,メモ帳に記入
その後も気になる言葉を見つけては,メモ帳に記入

妻がこの作業を始めると,キャンツもその迫力を感じるようで,決して邪魔することはなく,時には「アンタの奥さん,また始めたよ」と言いたげな顔をして,私の所へ報告にくる。(2022-06-08)

報告「アンタの奥さん,また始めたよ」
報告「アンタの奥さん,また始めたよ」

漢字の読みを表す平仮名表記については,訪問リハビリの言語聴覚士さんが用意したテキストを使って,今なおトレーニングが続けられている。そのテキストの一部を示す。(2022-06-10)

漢字の読みを表す平仮名表記のトレーニングテキスト(部分)
漢字の読みを表す平仮名表記のトレーニングテキスト(部分)

妻の言語療法リハビリの自主トレは,次第に内容を充実させて継続中。パソコンやテレビの画面で気になる(仮名混じり)漢字表記の言葉を見つけては,それをA6版のメモ帳にその読みと共に記入し,必要に応じて私に読みの確認を求める。7月頃までは,彼女の作業はこのレベルに止まっていたが,最近は読みをパソコンに入力(仮名入力)して(「屋内歩行自主トレーニング」のページを参照),検索を実行し,その言葉の関連情報まで調べるようになった。

妻はこの作業を毎日飽きる様子もなく何時間でも続けている。なるべく早く,普通に喋ったり書いたりできるようになりたいという気持ちが強くなってきているように感じられる。昨日は,普通の人の日常生活では殆ど使うことはないであろうと思える言葉の「姐御(あねご)」を彼女が仮名入力して検索していたので,思わず笑ってしまった。(2022-10-16)

気になる言葉の読みを仮名入力して検索
気になる言葉の読みを仮名入力して検索
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