つっぱり(痙縮)の緩和
妻が3ヶ月ごとに受けているボトックス(BTX)注射の効果は毎回かなり異なるが,9月27日のBTX注射は右上肢の筋肉のつっぱり(痙縮)の緩和に関してかなり効果的だった。その前後(9/18, 9/29, 10/09)の理学療法リハビリにおける歩行トレーニング中の右腕の位置の変化がそれをよく示している。10月9日には,右手指の握り込みも和らいでいることが認められる。(2021-10-09)

以前のBTX注射でも右上肢の痙縮の緩和はあったが,今回ほど顕著ではない。例えば,6月21日のBTX注射の前後(6/18, 6/22, 6/26)の理学療法リハビリにおける歩行トレーニング中の右腕の位置の変化は次のとおりである。(2021-06-26)

廊下を歩く妻の右腕の位置の変化にキャンツも気付いたようで,「何だか変だな」と言いたげな顔をして廊下での歩行トレーニングを見つめていた。そしてそれが終わると,自身も廊下の同じ場所を歩いてみる。ネコは何かの変化を感じると,その原因がその場所にあると思ってしまうみたい。(2021-10-09)


右手の感覚の回復
10月13日の夜,妻は洗面台で手を洗う時に,麻痺が残る右手でお湯の温かさを発病以来初めて感じたことを私に伝えた。
しかしはじめから「あたたかい」と言えたわけではない。妻が洗面台で何かを私に伝えようとしているので,いつも使っているメモ帳と鉛筆を持っていくと,妻は洗面台の前で立ったまま,メモ帳に”あたたかい”と書いた。私がそれを読み上げて「あたたかい」と言うと,妻は「そう,あたたかたいのが分る」と興奮気味に発話。(2021-10-13)

こんなプリミティブな夫婦の会話を毎日続けている。
2022年7月17日頃から妻は,麻痺が残る右手を頬に当てて「何かヘン,あたたかい」と言う。さらに右脚全体を指し示して「ここも,あたたかい」と言い始めた。
まだ言語障害が残る妻の発言から真意を読み取ることはなかなか難しいが,「ヘン」と言う表現は,少し前の状態とは変わってきていることを意味する場合が多い。私からの質問を繰り返しながら彼女が言いたいことの真意を絞り込んでいくと,今回の「あたたかい」は,お湯に触れて感じるような温かさ(この感覚は2021年秋頃から感じられるようになった)ではなく,体温のある生身の身体の一部としての感覚であって,発病前には現在の左手・左脚と同様に感じていた感覚ということらしい。
これは,発病後の右手と右脚については,皮膚の感覚はある程度回復し,可動域を広げるようなリハビリを続けてはきたが,体温のある生身の身体の一部としての感覚はあまり感じられていなかったことを意味する。(2022-07-18)
拇指対向性を使った右手の動作
訪問リハビリの作業療法士さんは,麻痺が残る妻の右手の指が9月27日のBTX注射後に少し動くようになってきたことを確認し,まず座った姿勢で,作業療法士さんが用意した軽い葉(のオモチャ)を摘まんで床の上に落とすという作業を指示した。(2021-10-07)

次に,寝た姿勢でビー玉を摘まんで作業療法士さんの手の上に落とすという作業を指示。(2021-10-14)

ビー玉を摘まむトレーニングは以前から予告されていた(「ボトックス注射後の右上肢のトレーニング」のページを参照)が,ようやく霊長類の特徴である拇指対向性を使った手の動作ができるようになったということか。しかしまだ指の力が弱くて,ビー玉より重いものは無理っぽい。指の動きも,手首の動きと連動させて何とか動かすというレベル。
これらの作業に使う小道具(ビー玉,葉(のオモチャ),etc.)が入った作業療法士さんのビニール袋をキャンツが見つけて,興味津々。(2021-10-14)


右手でビー玉等を摘まんで離す練習はその後も繰り返し実施されているが,その際の親指と人差し指の動きは,手首の動きと連動させて動かすというテノデーシスを利用したものであり,座った姿勢での指の力は寝た姿勢(仰臥位)でのその力よりも弱いことが確認された。そこで作業療法士さんは,右手の親指と人差し指の曲げ伸ばしのトレーニングを開始し,自主トレとしてもそれを実施することが勧められた。(2021-11-04)



