2021年6月以降のボトックス注射一覧
脳出血後遺症の手足の筋肉のつっぱり(痙縮)を緩和するために,妻はその後もリハビリクリニックに通い,ボトックス(BTX)注射を受け続けている。2021年6月までのBTX注射については「ボトックス注射」のページに示したが,それ以降の概要は次の表にまとめた。

2022年10月のボトックス注射
2022年10月には,「注射の量を次第に減らすと共に,通院間隔は次第に広げる」という医師の方針を確認して,次回を4ヶ月後の2023年2月20日に設定した。(2022-10-24)
BTX注射の効果・反応は,毎回異なる。今回(2022年10月の注射)については,クリニックから帰宅するや否や「歩き易くなっている」との即効の報告を妻から受けた。即効はこれまでも何度か経験しているが,今回は効果の範囲が,注射した箇所以外にも及んでいる。下肢の注射箇所は右ふくらはぎであったが,右脚全体と右腰の調子がよくなっている。
注射の針は極めて細く,ほとんど痛みはないらしいが,当日夜になって,右上腕の内側に穿刺によると思われる内出血に気付いた。BTX注射での内出血は初めてであった。(2022-10-24)

二次的な効果
BTXによって筋肉の動きがよくなったことによる二次的な効果と思われる筋肉以外の活性化(「筋肉の覚醒とそれに伴う視聴覚による意味理解」のページを参照)は,これまでにも時々妻が示してきた。例えば,忘れていた言葉を思い出し易くなっている彼女の様子を,私は何度か確認している。
2022年10月の注射では,妻は家事への参加意欲が高まったようで,私が夕食の支度をしていると「何か手伝える?」と聞いてくる。それでダイニングテーブルの上を布巾で拭き,冷蔵庫から調味料を調理台まで運ぶ作業を手伝ってもらった。(2022-10-24)
BTX注射の2日後には,訪問リハビリの理学療法士さんによってBTX注射後のマッサージを受け,「注射後2週間は,積極的に関節を動かすように」との指示をいただいた。
その日の朝も右脚と右腰の筋肉は動き易くなっているようだったが,歩行自主トレ中に彼女は頭を押さえて「何かヘン」と言う。痛いわけではないらしい。どうやらこれまでにも何度も経験した,筋肉が大きく動き出す前の脳のグルグル感(「脳のグルグル感」のページを参照)が始まったみたい。しばらくベッドで昼寝をして脳を休ませた。(2022-10-26)
妻は麻痺のある右手を頬に当てて,「あったかいのが分かる。これはなかった。」と言う。本人は忘れているようだが,今年の7月のBTX注射の直後にも同様の発言があり,昨年9月のBTX注射の後には,洗面の際のお湯を右手で触れて,その暖かさを感じたことを私に知らせてくれた。BTX注射には,筋肉だけでなく,皮膚感覚の活性化の効果もあるように思われる。(2022-10-31)
新たなトレーニングへのきっかけ
BTX注射は,筋肉を動き易くすると共に筋肉以外の活性化をも促すため,妻のリハビリを担当している理学療法士さんや作業療法士さんがそれまでとは異なる新たなトレーニングを開始するきっかけとなり,妻自身もモチベーションを高めて新たな作業や自主トレを始めるきっかけとなるという点で価値がある。
2021年6月に受けたBTX注射の後の妻の様子を見て新たに導入されたリハビリについては,次のページに示した。
2021年9月のBTX注射の後の妻の状態とそれを見て新たに導入されたリハビリについては,次のページに示した。
2022年7月のBTX注射の後の妻の様子をうけて新たに導入された作業療法リハビリについては,次のページに示した。
2021年12月のBTX注射の直後の訪問リハビリで,理学療法士さんは「麻痺が残る右足首の可動域が大きくなってきたので,右のふくらはぎ周りの筋肉への負荷が増えて痛みが出ることがある」と言っていた。確かに1月19日の歩行自主トレに際して,妻は右脚のすねとふくらはぎに痛みを感じた。
そこで同日の理学療法リハビリでは,右脚のマッサージと右足首のストレッチを行い,浅く座って足を幾分後ろに引き,前屈して足首を曲げるエクササイズを実施。さらに左手で手すりを掴むことなく,立ち上ったり座ったりするトレーニングを行った。(2022-01-19)
その結果,以降の日々の歩行自主トレでは,右足の内反が減ってきて歩き易くなったと妻は言う。時間をかけて少しずつ進む脳神経系の回復。


理学療法士さんからは,立位の姿勢について指導もあった。杖を持ち上げたまま両足に体重を均等にかけて壁の前に立ち,お腹を後ろに引いて背中を壁につける。そしてこの時の感覚を記憶する。こんな動きの少ないリハビリに際しても,キャンツは飽きることなく理学療法士さんの行動を見続ける。(2022-01-19)


2022年3月のボトックス注射の後では,妻は右脚の動きがよくなり,廊下10往復(200m)の歩行練習の後も余力があるようで,いろいろやりたいと言う。それで,次の作業を歩行自主トレに続けて実施してみた。(2022-04-05)
- 流し台の前に行って,シンクをスポンジたわしで拭く。
- 廊下の奥にある物干しスタンドから乾いた洗濯物を取り込み,ベッド上に移動する。
どちらもこれまでに作業療法リハビリで練習した作業(「右上肢のトレーニング(基礎動作から生活動作へ)」のページを参照)ではあるが,当時は立っていられる時間が短かかったので,歩行練習の後にそれらを続けて実施したことはなかった。

同日,ベッド上に移した洗濯物を(左手だけでの作業ではあるが)畳むことまで実施。作業療法リハビリでトレーニングしてきた妻の「生活動作」が,ようやく実用レベルの初期段階に達した感じ。(2022-04-05)
2022年10月にボトックス注射を右上下肢に受けてから,妻は右の足先,膝裏,太腿に回復感を感じることが多くなり,発病前の状態に近づいていると報告している。しかし歩くと,その3箇所のどこかに痛みを感じることがあり,医師,看護師,療法士の皆さんから「骨と筋肉に問題はなさそうなので,経過を観る」と言われていた。
11月の2週目頃から,その痛みはなくなって,3箇所とも「すごく動き易くなった」と妻は言いはじめ,朝夕それぞれ廊下10往復していた歩行自主トレの往復回数を増やしたり,昼にも歩行自主トレを実施するなど積極的な変化を示している。歩行自主トレでの歩き方にも変化が見られ,”スタスタ歩く”ような感じになった。訪問看護師さんもその変化を確認して,11月15日の訪問看護記録にその旨を記載している。

その後,妻は右足と右手の親指に動く感じがすると言い始め,歩行はさらに安定になり,静止立位の姿勢から足踏みを始めるという自主トレに挑戦,以前から麻痺のある右手の手首を左手で握って右手を動かす妻の動作をよく目にしたが,この頃から左手首を右手で握る動作を目にするようになった。(2022-11-22)


