ボトックス(BTX)切れ
朝の歩行自主トレの最中に,妻の右手が歩行器のハンドルから外れ,握り直した。彼女は2日後にボトックス(BTX)注射を受けることになっていて,今はBTX切れの状態で,右の掌と指の筋肉が固くなっている。しかし右脚と右肩についてはBTX切れの症状は見られず,回復傾向が続いている。(2025-01-18)

BTX注射の注射箋は,以前は医師が注射の箇所と量を記載して患者に手渡してくれるだけのものであった。最近はグループ連絡帳が用意されて,そこに注射箋と共に患者(またはその家族)がフィードバックする欄(患者・家族(介助者)記入欄)が設けられていて,そこへの記入が求められている。それでBTX切れの1月の妻の状態を私が記入。(2025-01-18)

2025年冬のボトックス(BTX)注射
妻の痙縮緩和のためのBTX注射を受けに,彼女と共にリハビリクリニックに行って,右の上肢9(掌2)箇所,下肢3箇所に合計500単位のBTX投与を受けた。グループ連絡帳に含まれる注射箋を見ると,今回は右前腕の筋肉への投与が増えている。下図の注射箋で私が追記した赤字は前回との差を示す。(2025-01-20)

BTX注射を受けた日の夜から,妻の右手の様子が変わってきたようで,しきりに左手で右手を触っている。右肘付近では。以前に右脚が動き易くなる前に感じたことのあるヘンな痛みを感じるとのこと。(2025-01-20)

柔らかくなった筋肉にまだ慣れていないため,昨夜と今朝の歩行自主トレでは,彼女は狭い歩幅で怖々歩いているが,右手は歩行器のハンドルをしっかり握れている。(2025-01-21)

BTX注射後2日目の朝の歩行自主トレでは,妻は立ち止まって歩行器のハンドルを握る右手の手首付近を左手で触り,「ラクになった」と言う。BTX注射の効果。(2025-01-22)

歩行については,BTX注射の翌日はまだ怖さがあったが,2日目の朝には「慣れてきた」と言って,自主トレで杖なし歩行にもトライ。(2025-01-22)

グループ連絡帳のリハビリスタッフ記入欄
受付の際にクリニックに提出するグループ連絡帳には,前回のBTX注射の後の様子を患者・家族(介助者)記入欄に,私が「1月になると,右掌(指も)は固くなってきたが,右脚と右肩の回復傾向は続いている。」と記入しておいたが,リハビリスタッフ記入欄は空欄のままであった。
BTX注射を行う医師からの問合せに対して,私は「訪問看護ステーションの療法士さん達は彼らが所属するステーションの記録を書くだけで時間的に限界であり,グループ連絡帳への記入は無理っぽい」と伝え,彼らが対応した内容をまとめた私のブログ「2024年秋のボトックス注射」のページをプリントして提出した。
リハビリクリニックが用意したグループ連絡帳のリハビリスタッフ記入欄は,介護保険の都合でそのクリニックに所属するリハビリスタッフでない療法士のリハビリを受けている患者に関して,その療法士とリハビリクリニックの医師との情報交換を行うために設けられたと思われる。
しかし前述のような時間的制約からその実際の運用は難しい。結局,患者またはその家族を介して情報交換を行わざるを得ないのが現状である。
理学療法リハビリ
BTX注射後の最初のリハビリで,理学療法士さんは妻の右上下肢の状態を確認してから,運動を開始した。特に右の手指,掌,肘がかなり軟らかくなっている。杖なし歩行は,少ない介助量で軽く歩けている。(2025-01-22)

この日は,朝と昼の歩行自主トレでそれぞれ廊下12往復(240m)を歩き,その後で理学療法リハビリを受けて,BTX注射の効果を確認できた。しかし夜の歩行自主トレは,右ふくらはぎと右太腿上部(内側)に痛みが出て,廊下1往復しかできなかった。脳出血後遺症の右片麻痺からの回復課程とはこんなものか。(2025-01-22)
BTX注射後2回目の理学療法リハビリで,私は妻がトイレから出る時の段差でのふらつきの件(「ボトックス注射(2025年冬)の影響」の節「歩行時のふらつき」を参照)を報告した。理学療法士さんは,いつものマッサージとストレッチを行い,基礎的な歩行のトレーニング(杖つき,杖なし)を続けた。
ボトックス注射で筋肉が柔らかくなったことによる一時的な身体の変化に対しては,作業療法リハビリと同様に,特別な対応策を講じるのではなく,基礎的なトレーニングを繰り返すのが適切らしい。添付はその時の杖つき歩行と杖なし歩行の様子。(2025-01-29)

1月31日になると,確かに彼女の歩行はかなり安定化した。
作業療法リハビリ
昨日の理学療法リハビリに続き,本日は妻は作業療法リハビリを受ける。作業療法士さんは,1月20日のBTX注射で,広背筋に50単位,円回内筋に15単位が投与されたことに注目。そして彼女が仰臥位で左手で支えながら右手を大きく上げられることを確認した。さらに掌を上に向けられるようになったことも確認(アイキャッチの写真を参照)。(2025-01-23)


BTX注射後2回目の作業療法リハビリでは,妻は軟らかくなっている右手の基礎的な動きのトレーニングを続けた。掌を上げる感じで握り,それから開くという動作を繰り返す。(2025-01-30)

自主トレーニング
作業療法リハビリの後も妻は今回のBTX注射によって変わってきたことを報告してくれる。
(1) ダイニングテーブルの端に右手指を引っ掛けて「これができて楽」と言う。(2025-01-24)

(2) 3種の床面の材質がある場所に私を連れて行き,この違いを右足裏ではっきり(左足裏と同じように)感じられると言う。(2025-01-23)

これまでも理学療法リハビリで,足裏でのボール転がし等によって,足裏感覚のトレーニングは行ってきた。歩行に際して足裏からのフィードバックはかなり重要。しかしボトックス注射が足裏の感覚向上に効果があることには気付かなかった。なおBTX注射による皮膚の温感の活性化については,「ボトックス注射(続き)」の節「二次的な効果」に報告されている。
言語リハビリ
(1) 難読漢字
今回のボトックス注射は妻の言語活動には特に大きな変化は与えていないみたい。しかし1月31日の言語リハビリの内容を近くで聞いていた私は,言語聴覚士さんが,本来のリハビリプログラムに入る前のフリーディスカションの中で,難読漢字のトピックを扱っていたのに驚かされた。言語障害を患う患者に難読漢字を読ませるかァ!
そして提示された難読漢字の「羽咋市」を妻が「はくいし」と読み上げていたのに,もっと驚かされた。私には読めなかった。リハビリの後で彼女から,そこは彼女の郷里の近くにある市であることを聞かされて納得。下図は,言語聴覚士さんに羽咋市の物理的ロケーションを地図上で示す妻。(2025-01-31)

その時の本来のリハビリプログラムでは,妻は文中の空欄に適切な助詞を入れる課題を実施していた。その課題テキストの一部を示す。(2025-01-31)

(2) 除算
妻の言語リハビリでは,本来のリハビリプログラムに入る前のフリーディスカション(「言語リハビリにおけるフリーディスカションと教材」のページを参照)において,妻と言語聴覚士さんが用意したトピックが扱われる。2月7日のリハビリでは,妻は週刊誌(文春2月13日号)に写真入りで紹介されていたバレンタインの高級チョコセットを取り上げた。(2025-02-07)

チョコレートは日々進化しているようで,その週刊誌では食べてみたくなるような優れたチョコセットが紹介され,かなり高価なセット価格が示されている。言語聴覚士さんは,チョコセットに含まれるチョコの数がいろいろであることに着目して,チョコ1個の価格の比較に話を進めた。
その話では,チョコセット価格をそれに含まれるチョコの個数で割るという除算を実行する必要があり,数値の扱い(「数値の扱い」のページを参照)という言語リハビリを実施できる。数値の扱い,特に数値計算に特化したようなリハビリプログラムは患者の興味をそそらない内容になりがちなので,通常会話の中に数値の扱いを含めることは適切な言語リハビリのスキームかもしれない。(2025-02-07)

